Asynchronously Assigning, Monitoring, and Managing Assembly Goals in Virtual Reality for High-Level Robot Teleoperation
概要
本研究は、人間とロボットの間にある時間と現実の非対称性を活用し、新しい遠隔操作体験を実現しています。 従来のロボット遠隔操作では、人間がロボットの動きを逐一指示し、ロボットがそれを忠実に再現するという同期的な関係性が主流でした。しかし、この方式では人間とロボットが1対1で拘束され、効率的な作業の並列化が困難です。
本研究で扱う遠隔操作は、この問題を解決します。人間はロボットに対して、最終的な目標だけを指示します。ロボットは与えられた目標を達成するための具体的な動きを自ら計画し、自律的に実行します。人間はロボットの作業完了を待つことなく、次々と新しい目標を指示できるのです。
この非同期的な遠隔操縦の仕組み自体についての先行研究は存在しますが、我々はインターフェースのデザインに注目します。この非同期性を活かすためには、ロボットに指示した複数の目標を同時に監視し、それぞれの進捗を把握する必要があります。そこで私たちは、過去に指示した目標の状態を可視化する二つのUIパラダイムを開発しました。一つは《統合ビュー》で、異なる時間の目標状態を一つの3D空間に集約表示します。もう一つは《タイムラインビュー》で、時系列に沿って並べた複数の3Dシーンのサムネイルから目標状態を確認します。 ユーザースタディの結果、統合ビューは作業効率の面で、タイムラインビューは主観的な好みの面で優れていることが分かりました。これは、各UIが持つ特性の違いに起因していると考えられます。
本研究で得られた知見は、ロボット遠隔操作に限らず、人間同士の非同期コラボレーションにも応用可能です。時間と現実の非対称性を前提としたUIデザインは、ポストコロナ時代のリモートワークを支える重要な概念になるでしょう。
非同期遠隔操作は、人間とロボットの関係性を根本から変える革新的なパラダイムです。本研究はそのUIデザインの在り方を問うことで、人間-ロボット間のコラボレーションの可能性を大きく拡張するものです。
外部評価
主著論文等が複数の国際会議に採択された。
Aoyama, S.*, Liu, J.-S.*, Wang, P., Jain, S., Wang, X., Xu, J., Song, S., Tversky, B., & Feiner, S. (2024). Asynchronously Assigning, Monitoring, and Managing Assembly Goals in Virtual Reality for High-Level Robot Teleoperation. 2024 IEEE Conference Virtual Reality and 3D User Interfaces (VR). (主著論文, 採択率28.7%)
Wang, P., Jain, S., Li, M., Aoyama, S., Wang, X., Song, S., Liu, J.-S., & Feiner, S. (2023). Built to Order: A Virtual Reality Interface for Assigning High-Level Assembly Goals to Remote Robots. Proceedings of the 2023 ACM Symposium on Spatial User Interaction. (ポスター発表)
本研究はNational Science Foundation Grant CMMI-2037101の助成を受けた。
https://www.youtube.com/watch?v=cChHxkaFB3w
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